エリート上司と秘密の恋人契約
だから、つい仕事の話とかして誤魔化して、笑った。思わせ振りな態度は取ることも出来ないし、だからといって、避けることも出来なかったからだ。

誤魔化したのは卑怯だったと思うけど、どうしていいか分からなかったのが本音。


「小沢、ごめん」


「分かってる。でも、もし振られてももう慰めないからな」


優しいのに、切なく笑う小沢に胸が締め付けられる。小沢の気持ちに返すことは出来ないけど、やっぱり今まで通りの友だちでいて欲しいとまた思う。

駅のホームで小沢の後ろ姿を見送ってから、ため息をついた。

想いが一方通行では、恋愛は成立しない。想いが届かなくても成立しない。やっぱり恋愛はいくつになっても難しいな。

27才になっても上手に出来ない。



「はい。1日遅れだけど、プレゼント」


「わあ、ありがとうございます」


さやかさんから誕生日プレゼントとしてもらったのは入浴剤の詰め合わせ。早速今夜はこれを入れてみよう。


「そうそう、さっき聞いたのよ。1ヶ月早く戻ってくるんだってね」


「えっ? 昨日の話、本当だったんだ……」
< 165 / 232 >

この作品をシェア

pagetop