エリート上司と秘密の恋人契約
「ごちそうさまでした。ほんとありがとう。美味しかった」


「いえいえ、どういたしまして。たまにはこういうとこもいいよな。まあ、もうないとは思うけど」


「うん、そうね。私たちにはいつもの居酒屋が一番合うね。気軽に行けるしね」


「そうだな」


ご馳走してもらったのは本当に嬉しいけど、私たちには豪快に笑って、飲めるところが合っている。

小声で話をするのは向いていない。


「でもさー、実は賭けていたんだよ」


「えっ? 賭ける?」


「そう。いつもと違う場所なら良い雰囲気になって、星川が俺を男として意識してくれるんじゃないかと思ってね。でも、そんな下心にさえも気付いてもくれないし、あの人には邪魔をされるし。あー、そろそろ諦め時なのかなー」


小沢の言葉に私は俯いてしまった。

高級なレストランで誕生日をお祝いしてもらうことに、ちゃんと意識はしていた。いつもと違う場所に緊張もしていた。

小沢がなにかを仕掛けようとしているんじゃないかなとも思った。
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