エリート上司と秘密の恋人契約
甘い言葉を耳元で囁かれて、私の体温が一気に上がる。

「和真、私をホテルまで送ってよ」


離されたサラはまた和真の腕を掴む。


「ホテルくらい一人で行けるでしょ? 美弥、行こう」


掴まれた腕を離して、私の肩を抱いた和真は足早に歩く。私も同じように足を動かした。

サラの様子が気になってチラッと振り返ったが、鬼のような形相でこっちを見ていたので、ゾッとして和真にしがみつく。


「和真、本当にいいの?」


「ん? ああ、いいんだよ。日本まで一緒に連れていけと言うから、連れてきた。入国出来たんだから、もう俺の役目は終わりだよ」


「あの人は何のために日本へ来たの?」


「黒坂さんが部長になるのは知ってるよな? 黒坂さんの代わりがサラだよ」


サラは社長秘書として本社に赴任するという。アメリカ人と日本人のハーフたというサラはまだ25才と若いが、日本語と英語はもちろんで他にフランス語と中国語も話せるという。

その堪能な語学力とニューヨーク支社長の娘という身分から社長秘書に選ばれたらしい。
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