エリート上司と秘密の恋人契約
リビングの他に部屋が二つあるというので、一人で住むには広いと思った。だけど、お兄さんも住んでいたという経緯があるなら、納得できる広さだ。


「コーヒー入れるから、そこに座っていて。あ、ビールとかお酒のほうがいい?」


「いえ、コーヒーでお願いします」


「ん? なんかおとなしいな? 疲れた?」


テーマパークではしゃぎすぎたのは事実だけど、おとなしくしている理由は疲れたからではない。

緊張しているからだ。

今日も疲れているけど、昨日とは違う疲れで、眠くはならない。お酒を飲んだら寝てしまわないかといったら、自信はないけど。

昨日の夜はお互いが寝てしまったから何も起こらなかったけど、今夜は分からない。

しかも、ここはホテルと違う。

「諸橋副課長の部屋、行ってみた~い」と女子社員が盛り上がって話しているのを聞いたことがある。

そう、この部屋は女子社員が踏み入れたいと思う場所で、和真はみんなが憧れる人だ。私が安易にここにいていいのかと不安になってくる。
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