エリート上司と秘密の恋人契約
「美弥、私あがるね。まだやっていくの?」


「あ、いえ。私もあがります」


帰り支度をするさやかさんに声を掛けられて、時間が7時近くになっていることに気付き、私もパソコンの電源を落とす。


「美弥、パスタでも食べて帰らない?」


「あー、ごめんなさい。今日は小沢と約束をしていて」


「そう、小沢くんと?」


「はい」


今日は誘われることが多い日だ。さやかさんにはまた今度にしてもらって、一緒に下まで降りるためにエレベーターに乗る。

乗り込むとなんと左端に和真が立っていた。偶然だけど、顔が緩みそうになってしまう。


「諸橋くん、お疲れさま」


「ああ、お疲れ」


「お疲れさまです」


「うん」


さやかさんがいる手前、顔を緩めることも馴れ馴れしく話すことも出来なくて、目も一瞬しか合わせれなかった。

私はただ減っていく電光表示を眺めていた。すぐに数字は『1』になり、ドアが開く。
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