声が聞きたくて
「まず……あのマンションって、幾らで買ったの?」
私はメモ紙に書く
【1700万円。中古の分譲】
【ローンはありません】
「そう……一括で買えたって事?」
【家族が残してくれた遺産と保険金】
そう書くと優也さんの眉はピクッとした
「……家族はいるの?いつからあそこに住んでるの?」
少し手が止まってしまった
また蘇る……あの光景が……
「話したくないことはいいよ。大丈夫」
【五年前】
それを書くだけ。精一杯だった。
「あのマンションね、同じ値で売れるから安心して。それと、ここにずっと住む?」
たんたんと話を進めていく優也さん