声が聞きたくて


その日の夕方
珍しくインターホンが鳴った


モニターを見れば
雅人さんではなく……逞さん



何かあったのかと思ったけど


「若の忘れ物を取りに来ただけです」


冷たく無表情で言われた




逞さんを通して、私はリビングにずっといた


関わりたくなくて
知らない顔をしていた



パタンと、雅人さんの書斎から出てきた逞さんはスタスタと歩き始めた


帰る……よかった
そう思った瞬間



「いつまで若につきまとうんですか?」


逞さんの言葉は私が今まで聞いた中で
一番と言っていいほど冷たい
< 184 / 282 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop