声が聞きたくて
「初めてじゃないくせに、そんな純情ぶらないでくださいよ」
耳元で囁かれた言葉に
私は凍りついた
この人は知っている
あの忌まわしい過去を……
この人が知ってるなら
……雅人さんも知っているんじゃないか
触れる逞さんの唇と指先
雅人さんとは違い
触れられた箇所は
ゾワゾワと気持ち悪さが残る
何処もかしこも、痛みが残る
何をされても…だ
私の身体はガクガクと震えている
蘇る忌まわしい記憶
あの時みたいに気を失っていたら……
その方がなんぼかいい
もう嫌だ……
ブーブーブーブーッ
寸前のところで
逞さんは私から離れた
何事もなかったかのように
バイブ音のする携帯を耳に当てた