声が聞きたくて

決別




食事も喉を通らず
私ベットの中
自分の身体を抱きしめている



どのくらい時間が経ったのか
部屋は暗く、カーテンをしていない
窓からの月明かりが
今日ほど嫌なものはない



ガチャ……


玄関が開いた音が聞こえた
早く雅人さんに会いたいのに
身体が言うことをきいてくれない



「あずさ?」



私がいないことに気がついたんだろう



『まさ……と』


雅人さんなら私の声が聞こえる
だから、すぐ来てくれると思っていた
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