声が聞きたくて
私が作業している間
彼はただ私の作業を見ていた
その視線がたまにぶつかると
彼は少しだけ笑ってくれ
私も笑って返す
「……豪華だな。この花も綺麗だ」
うん、豪華。
彼が言った花……
アルストロメリアは、
【「持続」「未来への憧れ」】
【お店が長く愛されるように。…】
これで大丈夫か不安になり
彼を見上げると
「問題ない、いくらだ?」
【50,000円になります。】
【薔薇を贅沢に使ってしまいました】
そう書いてメモを見せると
またふって笑ってくれて
「構わない」
そう言って私の頭にポンと手を置く
あの事件以来、初めてだったかも……
知らない人に触られて恐怖を感じなかったのは……。