声が聞きたくて
雅人さんの足は止まり
一つの部屋の前で片膝をついた
「親父、雅人今戻りました」
雅人さんの声を聞いて、緊張が走る
聞きなれない低い声
「おう、入れ」
部屋の中から声が返ってきた
組長……雅人さんのお父さんだろう
雅人さんが立ち上がり
私の頭に手を触れてきた
大丈夫って言ってるみたいに。
大丈夫だよ?
そう意味も込めて
私が笑えば、雅人さんも笑ってくれた
大丈夫…
この人と……
雅人さんとなら
一生幸せに生きていける
Fin