声が聞きたくて
結ばれた日


あの日……



私と雅人さんは
社長宅からアパートへ帰る


雅人さんは運転中



正直、パニックです。



嫁にするってなんだ?
聞いてないです!



聞いてもいいですか?
聞きたいんですけど……


何も言わず運転だけしてる
私はじっと見る


気がついてはいるんだろう
けど、気付かないフリをしている



もう……なんなの。



『……お腹すいた』



やっと言えた言葉がコレ
けど雅人さんは
ああ、と返事しただけ



どこによるけどもなく
何を買うわけでもなく



そのままアパートへ帰った。
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