声が聞きたくて


「社長、こんなんで良かったですか?」


あとから入ってきた雅人さんに
一条さんは聞いていた


……まさか、頼んでたの?



「ああ、助かる。もういいぞ」


えー、ひどいっ!
なんて言いながらも
一条さんはエプロンを外していた


「生モノは冷蔵庫に入れてあるから」
「あずちゃん、またね」


そう言ってニコニコしながら
一条さんは帰って行った


何が何だかさっぱりわからない
立ったままでいると
後ろから抱きしめられた



「お祝い……しよ」



『……お祝い?』


「ああ、あずさが帰ってきてくれたことと、声が戻ったこと。あとは、就職祝い……かな?」



たくさんありすぎって
耳元で笑われた
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