小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「分かった、じゃあそれを、梶山君と彼女の分奢ればいいのね!」


頭の中で計算する。

コースが一人二万円、でもきっと、ワインとか飲みたいでしょう?あわわわ、お高いのは勘弁。じゃあお二人で、って五万円とか渡しちゃう?!
いやーーーーー!!きつい!きついなそれ。
でも、親戚の結婚式に呼ばれると思えば……ていうかもしも本当にあの蓮田さんと付き合えたら、確かにここまでしてくれる梶山君と理解してくれる彼女さんにはそれくらい支払うべきだよね。

寧ろ、そういう方が割り切って協力してもらえていいのかも。


……と、ひとり悶々として、ふと梶山君を見れば、ポカンと口を開けていて。


「ど、どしたの?」


「……すみれさんって、本当に天然なんだ……」


本当に、って何よ、と思いつつジロリと睨む。


「なんでよ……」


「なんでそこに、俺の彼女が出てくるんですか?俺とすみれさんで行くんでしょ!」


な、なんで……??
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