小悪魔な彼の想定外な甘い策略
今度は私がポカンと口を開ける番で。


「あーもー、はい、契約成立!」


梶山君が繋いだ手を自分の口許に持っていく。

″ちゅっ″

手の甲に伝わる柔らかい感触。


……って、ん?!?!


慌てて見れば、いたずらっ子のような顔で笑っている梶山君がいて。


「なにす……」


言っても無駄な雰囲気に気圧されて、言葉が続かない。


なんなんだろうなぁ。
別に、うぶなバージンってわけでもないし。
単に、男運の悪い私ですけど。


こんな風に、全く理解できない行動を繰り出す人と関わっているのも、私の男運の悪さの1つなのかもしれない。


なーんて、私なんかのためにこうして休日返上で付き合ってくれる梶山君に対して失礼だけれども。


こうなったら、やってみよう、と思う。
何をするつもりなのかは、全く読めないけれど。
< 123 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop