小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「メールじゃ意味が分からなかったけど、今聞いた話をまとめると、そう聞こえるよ?で、その幼馴染みの真摯な気持ちを目の当たりにして、自分の浅はかなミーハー心が、恥ずかしくなった、と?」


あ、浅はかって。なっちゃん、アルコールが大分入っているとはいえ、中々に辛辣なお言葉ですな。


「は、恥ずかしい……っていうか、恋じゃなかったのかな、なんて思ったりして」


「そんなの、最初から私、言ったじゃん!」


返す言葉がございません、と思いつつ、レモンの果汁があまりかかっていなそうなところの軟骨揚げをつまんで口に運ぶ。


ぶぉり、ぶぉり、ぶぉり。

豪快な音を脳に響かせながら考える。

私ってば本当に何をしているんだろう。


「それにしても、迂闊なんだから。梶山君と付き合う道まで潰しちゃってさ」


レモンをかけるだけかけて、軟骨揚げには手をつけずに、揚げ出し豆腐を小皿によそうなっちゃん。
さりげなく言い放った台詞を思わず聞き返す。
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