小悪魔な彼の想定外な甘い策略


夜中の12時。
早く帰って寝た方がいいことなんて、百も承知。
お肌のためにも、明日の自分のためにも。


塾講師の仕事をはじめてから、どうも夜型傾向が強くていけない。


……まぁ、今日は夜遊びだけれど。


明日も仕事だというなっちゃんと、居酒屋の前でバイバイをしたのが夜中の11時半。

つまり、かれこれ30分近く、私は悩んでいる。


「……はぁ」

吐く息は当然のように白くて、その寒さに慣れつつある自分に驚きながらうろうろと歩き回る。

塾と、蓮田さんのバーと。
要は、その二つの施設をいったり来たりしているのだ。
と、言ってもまだ1往復と半分。


どちらもさっきまでいた居酒屋から徒歩圏内だったお陰で、酔っ払いは閃いてしまったの。


『もし、ここで、会えたらそれが運命の人』


だって、蓮田さんがオレンジを転がして出会ったのもこの道。
梶山君と職場から歩いて帰ったことがあるのもこの道。

……ここで、こんな時間に出会えたとしたら、それってきっと凄い確率。
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