小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「……あ、お、おはよう……」


恐る恐る返事をしてから、『なんで私がこいつのご機嫌伺ってんだ、こら!!!』と自分で自分が情けなくなる。


「あの……メール……」


バカーーーーーーーーーー!!!
私のバカーーーーーーーーーーーーー!!!


無計画にもほどがある。

どうやって彼に浮気を認めさせるか、どんな形で接するかをこれからよーく吟味すべきだったのに、まさかの直球。


引くわ。我ながらあまりの迂闊さに引くわ。


案の定、みるみる表情が曇る彼。
そして、バッと自分の携帯をみて……気がついた模様。


ああ。ダメだこりゃ。


「浮気……って、もしかして、前からしてた?」


何言っているんだ私。
社会科見学の小学生じゃないんだから。

「もしかして、おじさんは、パンを作るのが好きなんですか?」

みたいな無邪気なトーンで何質問しているんだ。
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