小悪魔な彼の想定外な甘い策略
そもそも、″室岡さん″と脳内で呼ぶ辺りからも分かるように、私は彼女と親しくない。

そして、私のこの塾での呼ばれ方は一般的な『山崎先生』『すみれ先生』が、殆どで。


『すーちゃん先生』なんて呼び方をするのは、おふざけモードの梶山君くらい。

それこそ、学生バイトの頃なら、生徒と距離も近い分、すーちゃんだの、すーちゃん先生だの呼ばれていたけれど……。


そこまで考えてふと思いあたる。
そうだ、室岡さんももれなく梶山君にキャッキャする子だった。
……もー、悪い影響しか、与えないんだからアイツ!!!


「あーごめんごめん、どこ?」

室岡さんの出してきたテキストを一緒に覗きこむ。

頭を寄せあうと、ふわりといい香りがした。

最近の若い子って凄いなあ。


……室岡さんの、身体のラインが何となく見てとれるコットンのワンピースをちらりと見る。


ぜっっっったい、私よりおっぱいあるわ。

いつもこんな子達に熱気むんむんに迫られている梶山君を思うと『間違いを起こして捕まるなよ』と心配になる。
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