生神さまっ!
視界に映る卑弥呼は、しばらく攻撃する様子がない。


「多分今なら話せるから、話しちゃうけど…」



冬斗もちら、と卑弥呼を見る。



…さっきのお札と言い、大分…私たちをナメているというかなんというか、
余裕たっぷりと言った様子で。
悔しいけど今はその通り。


耳元で小さくため息をはく音が聞こえたかと思うと、冬斗は言葉をつづけた。




「秋奈にはプレッシャーがかかるかもしれない、と思って今まで俺も夏樹も春乃も、そしてアマテラス様も秋奈には言わなかったんだ」



「…どうゆうこと?」



「…実を言うと、俺達の力と卑弥呼達スサノオ一派の本気の力を比べれば、余裕であっちに軍配があがるんだよ。

その理由の1つが、玉の封印と四季の神の力が封印されたから。

同じ季節の力を共有しているから、封印で大分俺たちは力を出せないんだよ」



「じゃあ…どうやって勝つの?」



…聞いた限りじゃ、勝つ方法なんて…1つどころか、0じゃない。

作戦会議では…こんなこと教えてもらえなかった。


それに…夏樹と冬斗とアマテラス様の3人は、他の人と違ってどこか自信がある顔つきだったから。


作戦内容は確かに細かくなかったけど…どこか、信用していたんだ。



「…所詮俺たちは生神。そしてスサノオ一派の大半は現人神。

神であって神じゃない…中途半端な存在」




それと同じような言葉…最近、聞いたことがある気がする。


えっと…どこだっけ…



…そうだ。




私は、微笑む卑弥呼を…頭の中で再生するあの言葉と重ねて見つめる。




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