生神さまっ!
『所詮は"生神"…お前は完全な神ではないのだ…

…わっちと同じでな…』






「…冬斗…

卑弥呼も…前にそんなようなこと、言ってた…」



「うん…あっちも自覚はしているということだ」



書庫に卑弥呼が来たとき。


意識を失う直前、私の耳に届いた言葉。




その言葉からは、あざ笑っているかのようで、どこか悲しそうなものも感じた…




「…そんな中途半端な存在の俺達と彼女たちは似た者同士。

ただ…


この、四季を賭けた戦いで俺達が唯一リードしている点は、



俺たちが”四季”の生神だ、という点だよ」




…そっか。

卑弥呼は…現人神。

決して、春に関係した神でも何でもないんだ。




「…だから俺達4人が一気に立ち向かえば、
四季の力では…俺達が勝つんだ」



「じゃあ、たった1つの勝つ方法って、もしかして…」



「そう。

…今まで下手に俺達がスサノオ一派に手を出せなかったのは、4人目の秋奈がいなかったから。


そして…


今は、倒れている春乃の力がないと、
勝機は…ほぼない」







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