生神さまっ!
アマテラス様からもらった薬を取り出し、春乃の口元に少しずつ流す。



「あ…あき、な…」



「春乃…!!良かった…」



「ごめ、ん…かってに、とびだし、て…」



「ううん…大丈夫。安心して、大丈夫だから…

…春を、一緒に取り戻そう?」




春乃の顔に、翳りが見えた。


…春乃がなんで、大好きであるはずの”春”を迎えたくないのか。


それは、私にはわからない。



けど…




「ねえ、春乃。
この戦いが終わって…スサノオにも勝てたらさ…


…一緒に、4人で桜、見に行こう?」



私は、一緒に乗り越えるよ。


春乃がどんな過去を背負ってても…たとえそれが、とても重くて、1人じゃ壁を越えられなくても。


私が半分、持ってあげる。
だから一緒に行こう。



「…約束、だよ?」



春乃の目から、ぶわぁっ…と、涙が溢れた。



口元が、小さく動いていて。



なにかと耳をそばだてて聞いたら、



「…やく、そく…まもってね」


「…もちのロン!!」



春乃との約束は、絶対に忘れない。



4人で、
天界でも、人界でもいい。


桜を、見よう。


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