生神さまっ!
「あき、な…」



「ん…?」



「…手、出して」



私は春乃に右手を差し出す。
すると、春乃もその上に右手を重ね…なにか、呟いた。


すると私の右手はどこか暖かいもので包まれ、少しだけ痛みが走る。



これ、は…?




「…1回きりだけどね、
私の…春の力。


…無駄にしちゃ、ダメだからね!」




「うん、りょーかい!」



「…行ってらっしゃい」


「行ってきます」




春乃も、私のしようとしたことが分かったんだと思う。


引き止めなかった。
多分、無駄だと感じたから。

私が春乃の言葉でも意志は変えるつもりがない、って。



卑弥呼と2人が戦う方へ、歩いていく。



卑弥呼はこちらに背中を向けているせいで、気付いていない。




けど…私は冬斗と、目が合った。
冬斗は一瞬首を横に振る。けど卑弥呼の攻撃を避けるために、すぐに目を反らした。



…ごめん、冬斗。
夏樹も。


新米のペーペーがなにやってるんだよ、って思うかもしれないけどさ。



私は床に落ちた、お札を2枚拾った。


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