生神さまっ!
…………え………?










冬斗の声に…顔を上げる。

私が話し始めてから、冬斗は『うん』って言うだけか、うなずくだけだった。



彼の声を……私、長い間聞いていなかった気がする。




「……気付いてたんだ、本当は」



「…それ、どうゆう……」



「……秋奈の心の奥底に、冷たいものがあること」




……嘘。

嘘、だよ……だって私……全くそんな素振り、見せなかった。




「…最初から、秋奈は…少し違う、そう思ってた。


俺、秋奈が来た時をよく覚えてる。

…秋奈を案内したのは、俺だったよね」




「う、ん…あの時は…ただ驚いてて…」




誘拐かと思ってたもん、結構本気で。

だからホントに冬斗に連れられた時は…驚いた。




「…その後、アマテラス様が来て…秋奈と色々話してたよね。

その会話内容が、あまりにも不自然だった。


俺が色々口を挟んだ後…アマテラス様は秋奈に、何かをまるで忘れさせるように言っていた」




……アマテラス様は、言っていた。

私に『気にすることはない』みたいなこと…





冬斗は私のヤケド跡を、冷たい手で軽く触れながら…どんどん下着型の着物を直し、私を元の着物姿にさせる。






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