生神さまっ!
「はっきりとこの耳で聞いたんだ。

『あの事件の真相』
『冷たい心』


…俺はその時…秋奈という同じ立場にいるはずの人が、
並ならないナニカを背負っていることを察した」




「……そっか。そうだよね…あれを聞いてれば、確かに…」



「それだけじゃない。

…これはみんな気にしていたことだけど、」




冬斗が私の口のあたりを指さす。



「…敬語癖が、なかなか直らなかったんだ、秋奈」


「…あ……」



思わず口を手で覆う…遅すぎると分かってながら。


家にいる時は、いつからか常に敬語で過ごすようになってしまった。
それが何年も続いて…


…なかなか私の癖は、抜けたかったんだ。




「やっと分かった…その敬語癖は、秋奈の…

…父親からの暴力が原因だったんだね」




そういえば、彼にも…言われたな。敬語について。

…私、ボロ出しまくり。


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