生神さまっ!
「……思っちゃったの。



……許せない、って。


私達家族が…ニセモノでも、ほんのわずかな時間でも…実際そんなに楽しくなくても。



上辺だけでも…家族になれる時間が、季節に触れている時だったから。


それを奪おうとしている卑弥呼達が…許せなくて」





そして……勢いに任せて、短刀を振り下ろしたあとは。



赤に包まれていく卑弥呼を見て……ああ、まただ…って、そう思った。






「……私は懺悔する懺悔する言っておいて、何も変わってなかった。



そして…我に返ってすぐ…怖くなった。あの時と同じで…


…死んだヒトがいるのに平気に思ってしまった自分が、一瞬でもいたことが…怖かった」




「だから…あの時の秋奈は、あんなに怯えてたんだね、何かに」




「…自分じゃわからないや…」




死にゆくものを見ても、何とも思わない、だなんて。

重い重い、罪。



怖かった、自分が…本当に、怖くて。

でも、泣けなかった。


なんでかな、泣けなかった。



「……もう……私には全てのことに対して、価値がない気がするんだ」





結局最後に残ったのは、空虚な心。


からっぽなことに対しての寂しさだけが、こみ上げて来たんだ。











「…………頼ってよ、俺に」




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