生神さまっ!
「色を…」



「全てが白い世界というのはつまらない。


着物も白く、畳も白く、壁も白く、街が白い。



草花さえも…そう、

秋の花である楓でさえも、白き楓のままであったら誰も美しいと楓を褒めたりはしない」




全てが白い世界。

果たしてそれは、どんな世界なのだろう。




「秋奈、お主は白き楓そのもの。


白は確かに染められ、流されやすいのかもしれない。



ただ…変われるのじゃ。

秋奈、お主は白い自分が嫌いであっただろう?


なぜ嫌いなのじゃ。まだ変われる余地が充分にあるということじゃぞ」




まだ、変われる…?

私が…?





「自分の色を見つけるのじゃ、秋奈。


白のままでつまらない。
善のままではつまらない。


たまには悪行をしてこそ人生面白いのじゃ。

もちろん悪行にも程度はあるがのう。



神とて人と同じで、つまらないものは嫌いじゃ。


美しい花々を見ているより、我はそこらじゅうを走り回る方が好きじゃ」






< 531 / 686 >

この作品をシェア

pagetop