生神さまっ!
竜田姫様の綺麗な白い髪の毛が、揺れる。



ああ、そうだ。


私もこんな、白い髪をしている。




そう、
こんなにも美しい、白い髪を。






「まず秋奈、お主は"自分"を作れ。


なりとう自分の色を見つけ、自ら自分の白にその色を染めてゆくのじゃ。


なりとう自分になるために、色を作り出すのじゃ」





白。

白い、本当に白い。



私は…バカだ。

ずっとずっと、逃げてきて、気付いていなかった。




自分がいないことに、気付いていなかった。







「秋奈、自分を責めるでない。


白のままでは誰にも気付かれないままじゃからなあ」






気付けば涙が出ていた。


私って…案外、すごい泣き虫だ。


いや、

この世界に来て…ずっとずっと、泣き虫になった。






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