生神さまっ!
誰にもバレないように、1人で泣いていた。



誰からも気付かれなかった。



白く、誰にも。






気付いてくれた亮太に甘えて、自分を変えていかなかった。


結局私は色を持っていなかった。





「…秋奈。


………ここは天界」






ふっと笑った竜田姫様が、私の頰に触れ、静かに流れる涙をそっとぬぐう。







「……優しき世界。楽しき世界。


そうかもしれない。



けどな、

悲しき世界でもある。


人界と同じ。違うのは驕り高ぶる神共がいるだけ」







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