生神さまっ！

うん。どう考えてもおかしすぎる。



もともと私は、神様だとか魔法だとか、そんなものを信じるタチではないのだ。



どちらかとそんなことを言い合う子たちをちょっと冷たい目で見てた方だ。



それが急に色々な歯車が壊れて、こんなことになってしまった。




「…秋奈？」



春乃の、心配の2文字が全面に表れている顔を見て、我に返る。



「あ、ごめんごめん…なんでもない」



ちょっと、空気を悪くさせてしまったかも。



そう思って、わざと明るくしてみる。



暗い顔を一瞬で読み取ってしまうみんなも、すごいな。




「…ねえ、秋奈」



「ん？」



「…秋奈は、あたし達と同じだよ？」



「…うん。

春乃、大丈夫だよ、私は別になんともないし…ごめんね、心配させて」



ごめんね、春乃。



私、そう言われても…手放しに喜べないや。



よく考えてみれば、まだ出会って1日目。



私の感情で色々振り回しちゃいけないし。



…逆に、なんでこんな初対面で打ち解けられたんだろう。



特別人見知りなタイプでもないけど…こんな親しくできるのは、初めてだった。





「大丈夫じゃないだろう、全然」




冬斗の言葉に、少し笑顔が崩れる。




「言っておくけどさー、秋奈ー」




夏樹が、私に向かって白い歯を見せて笑う。




「俺らは、今日初めてお会いした仲じゃねーよ？


お前、ちょっと不思議って思っただろ。俺らとすぐ話せるようになって」




まるで私の心を覗いたみたいな…ちょっとドキッとした。



だって、本当、その通りなんだもんな。




「考えてみなよ、秋奈！


俺らは何千年もの間、魂として一緒に生きてきたんだぜ？


たった16年かそこらで、大きく変わるわけねーだろ！」