生神さまっ!
そう改めて決意して、春乃を見る。



…って、あれ?



春乃…また少し悲しそうな顔をしてる…?




2人は話し込んでて、春乃の表情に気づいてないみたいだけど、



目を伏せて…



突然、顔を上げた春乃と目があって、慌てたように「ん?」と春乃が笑う。




気のせい?




「なんでもないよ、春乃。

…さっきはごめんね。


私も頑張るから!


桜、見たいんだもんね!」





「…うん、ありがとー!秋奈!」




「わ、わわっ!?」




きゅ、急に抱きつかないで春乃!



バランスを崩して、私は寝転がってしまう。



そしてそのまま勢いあまって春乃の顔が、私にぐいっとちかづく。



ち、近いっ!息があたる!




「…2人とも、なにやってんの」



「ふ、冬斗!違う、違うの!」



「いやー、俺は仲良いのは全然いいと思うから!たとえ一線超えても!」




上から見たら、ギリギリだけどキスしてるように見えるよね、うん!



だけど違うから!断じて!




「あはは、ごめんねー秋奈ー!」



「い、いいんだよ春乃…もっと優しくしてくれれば……」




…にしても春乃、力が強かった。



起き上がろうとする春乃の口元が、耳に近づく。





「……………」




「……え?」




起き上がった春乃と目が合う。



笑っていた。笑っていた、春乃は。




「…頑張ろうね、秋奈!」




さっき聞こえた言葉は、幻聴?



…いいや、違う。




「…そうだね…」




春乃、



なんで笑ってるの……?




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