同期との境界線
ちゅっと、おでこに軽く成宮がキスをして、
「可愛すぎだろ、その顔」
って、あたしをぎゅっとする。

「好きだよ、相田」

うまく言葉が出ない。パクパクして空気を欲しがってる魚みたいになってる。

言葉が出ない代わりにぎゅっと成宮を抱き締め返してた。

伝わったかな?あたしの気持ち。

そっと上を見ると、顔が真っ赤の成宮と目があった。
「今みんなって」
目元を押さえられる。

そのまま成宮が言葉を続ける。
「気にはなってたんだ。相田のこと。でも同期としてなのかがわかんなくて。
でも、そっちの部署の男の人と笑顔で話してるの見て、イラッとしたんだ。だから、相田のこと好きなんだって。俺に笑顔を向けて欲しいって。」
そっか。あたしもだったけど、成宮も思ってたんだ。
「…あたしも」
言葉が出てこなかったのに、自然に出てきた。
「後輩の子と楽しそうにしてるし、軽く触れられてるし…ご飯とか誘われてるし。嫌だったの。
だから、成宮のこと…好きなんだって思ったの」
後半はモゴモゴしか喋れなかったけど、ちゃんと伝わった様で。

「…うん。嬉しい」
そういって、成宮はあたしの頭を撫でた。
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