腹黒司書の甘い誘惑
むくれていると、柊也さんがわたしの頭を優しく撫でた。

そして束ねている毛先を指に絡めて弄んできたから体がぞくっとして目を閉じたけど、徐々に心地よくなってきたから目を開けて柊也さんを見つめた。

想いが溢れてくる。

「好き……」

熱っぽい瞳を向けながらそう囁くように言うと、柊也さんは目を細めた。

顔を近づけて焦らすように見つめられて、彼のとてつもない色気に鼓動がどんどん激しさを増す。

「理乃」

名前を呼ばれて、胸の高鳴りはもう限界。
震える頬にそっと触れた柊也さんは微笑んだ。

「さすがに車じゃこれ以上はしないけど、もう一回だけキスしていい?」

「っ……」

動揺して返事をしないでいると、柊也さんはいたずらな表情でわたしの唇を親指でなぞった。

「好きだから、ここ、塞ぎたくなる」

なんてことを言うんだ、と顔に熱を集めながらも、わたしは小さく頷いた。

くすくす笑う柊也さんになんだか納得がいかないけれど。

軽くくっついたあと、すぐに深く重なった唇と舌にわたしは一生懸命応えた。

彼が好きで、もっと想いを伝えたいと思ったから――
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