腹黒司書の甘い誘惑
笹本先生は笑って傍観しているし。
隣の柊也さんを意識しながらそわそわしていると、正面の通路を歩く女性二人組がこちらを見て「あっ!」という顔をして立ち止まった。
長い髪をゆる巻きにした女性と、髪をひとつに結んでいる女性。
なんだろうと思って見ていると、ヒソヒソと何か話したあと二人はこちらにやってくる。
そしてわたしたちが座るテーブルの脇で立ち止まった。
「ねえねえ、柊也くんだよね?」
長い髪をゆるく巻いた女性がそう言うと、柊也さんは顔を上げて首を傾げた。
「だれ?」
「ええ、覚えてないー? 大学で声かけて、連絡先交換したことあるんだけど。あっ、笹本くんもいる!」
笹本先生も首を傾げて相手を見ていた。
「……ごめん。記憶にないや」
「うそぉ、ショックー」
女性は頬を膨らませ、眉根を寄せた。
柊也さんは申し訳なさそうな顔を“作っている”感じだ。
しかし女性は覚えられていなくても気まずく感じることはないらしく、会話をしようとする。
「噂でいま滝城学園で働いてるって聞いたけど、柊也くんのお兄さんが理事長なんだよね?」
「そうだよ」
隣の柊也さんを意識しながらそわそわしていると、正面の通路を歩く女性二人組がこちらを見て「あっ!」という顔をして立ち止まった。
長い髪をゆる巻きにした女性と、髪をひとつに結んでいる女性。
なんだろうと思って見ていると、ヒソヒソと何か話したあと二人はこちらにやってくる。
そしてわたしたちが座るテーブルの脇で立ち止まった。
「ねえねえ、柊也くんだよね?」
長い髪をゆるく巻いた女性がそう言うと、柊也さんは顔を上げて首を傾げた。
「だれ?」
「ええ、覚えてないー? 大学で声かけて、連絡先交換したことあるんだけど。あっ、笹本くんもいる!」
笹本先生も首を傾げて相手を見ていた。
「……ごめん。記憶にないや」
「うそぉ、ショックー」
女性は頬を膨らませ、眉根を寄せた。
柊也さんは申し訳なさそうな顔を“作っている”感じだ。
しかし女性は覚えられていなくても気まずく感じることはないらしく、会話をしようとする。
「噂でいま滝城学園で働いてるって聞いたけど、柊也くんのお兄さんが理事長なんだよね?」
「そうだよ」