腹黒司書の甘い誘惑
「うはっ、てなんだよ」

「いや、あの……はい……」

もじもじするわたしに、柊也さんは眉根を寄せた。

このままではわたし本当に中学生だ。
恋人を前にして自分から予定を訊くこともできないなんて。

でもね、恥ずかしくなったり緊張したりするのは、それだけ柊也さんが好きで意識しているからなんだ。

「……柊也さんと二人きりの時間が欲しいです」

わたしは俯きながら小さな声でそう言った。

もちろん、照れて頬が熱い。広がって全身の体温も上がりそう。

すると、柊也さんがくすくすと笑いを漏らした。
笑うなんてひどいっ。
これを言うのにどれだけもじもじしたと思っているんだ!

「何で笑うんですか!」

「ほっとしたから」

「……ほっと?」

「そわそわしたり険しい顔もしていたから、こんなに可愛いことを言ってくるとは思わなかった」

「そ、それは、あの、こういうことを言うのが恥ずかしくて……どう言おうか悩んでいて……」
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