腹黒司書の甘い誘惑
***


夕方に通っていた図書館の手伝いが無くなって、最初はなんだか物足りない感じがあったけれど、保育園に行く日が近づいてくると自然と気分が上がってしまった。


「理乃ちゃん、今日はなんだかご機嫌ね」

「えっ!?」

「今、書類に目を通しながら肩が揺れてたわよ」

「ほ、本当ですか? やだ、無意識でした」

そして当日になるとわかりやすく心が弾み、豊子さんに指摘されるほどだった。

わたしは頬を描いて視線を落とし、唇をしっかり結んだ。

どうしてこんなに浮き浮きするのか。
それはとても単純な理由で、自分でも気づいていることなのだけど。

心のド真ん中にその気持ちを置けないというか。

まだ端のほうにそっと置いていたほうが安心。

だって柊也さんは絶対に馬鹿にするでしょう。
最初、彼が気になって図書館に通っていたとき、あんな最悪なことを言われたわけだし。

それなのにまた気になってるわたしもどうかと思うけど。
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