目があうたんび
階段を上がって少し進んだ所に俊さんの部屋はあった。



ガヂャッ



わぉ!思った通りだ。殺風景だ。無駄な物は置きません主義かいな!



「ことはちゃーん!なこちゃん。今日はよろしくね〜」


と蓮さんが言う。よく考えてみたら蓮さんも俊さんも私服かっこいい。レベル高いなぁ。



「今日は、何からする?」


「じゃあ、わかれよっか。」





「ことはちゃんが僕とでなこちゃんが高口とね!オッケー?」


つまり、俊さんに教えてもらえる?!



「はいっ!それがいい!」


琴葉めっちゃ嬉しそう!さっき、言ったこと実現してるし…絶対二人両思いでしょ。鈍感すぎる…



「じゃあ、なこちゃん。何からする?」


「えっと数学…」


こういうのめっちゃ憧れてたんだよなぁ。少女マンガでよくあるやつ!


「何ニヤニヤしてんの?俺に教えてもらって嬉しい?」


きました!Sっ気。琴葉見てないし…まぁ、いつか気が向いたら王子の本性言わないとね。


「別にニヤニヤなんかしてないし。」


ちょっと、すねたように言う。


「じゃあ、テキストの122pからやって。これ基礎だしできるよね?」


え?まさかの因数分解?!


「じゃあ、終わったら言ってね。俺本読んでるし。」


ヤル気ねー。でも、この本気になる。あたしの好きな推理作家の新作なんだよな。


「本好きなんですか?」


「まぁね。ミステリーが好きかな?」


「あたしもです!特に、…でー…ここが…」


「ブハハッ。そんなに好きならこれ貸すよ?」


「えっ?いいんですか?」


「それより、早く解いてよ。向こうに負けてらんないじゃん。」


ちらっと見てみると、琴葉と蓮さんが一緒にしてる。お似合いだな〜


あ!テキストやんないと。


アレ?






5分後




「えっ?まだ?」


「うっ。すみません…」


「何で、分かんないの?基礎中の基礎なんだけど。ハァ…」


げっ。ため息…


「ここをこうして…んで、こうする。分かった?」


「はいっ!さっき何やってんのか分かんなかったけど俊さんすごいですね!賢いし教え方上手いし!先生とか似合いそうだな〜。でも、賢いんだったら医者とか弁護士とかもなぁ。」


「人の将来の心配より自分の高校のことやった方がいいんじゃないの?にしても、因数分解でつまずくって…バカ?そういえば、英語もできなかったよね。」


バカって…


「バカですけど絶対受かりますから!」


「で、俺を落とすんでしょ?」


「はいっ!」


あたしってキャラ変わってるな。前まではこんなに落とすとかさらっと言わなかったのに。俊さんに会ってから変わったなぁ。


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