あるワケないじゃん、そんな恋。
あそこでの言動筒抜けだもん。

成り行きで付き合うことになったのも、セカンドチューのことも知られてる。

なんだか気持ち悪い。

ヤダ。こんなの。



「羽田とは暫く一緒に飲まない。店の中でも話しかけたりしないでっ!」


あんたの思うように動けない。

恋愛するなら、自分も大切にしたいから。



「いい⁉︎ わかった⁉︎ 」


上目使いで羽田を睨む。

呆れた顔つきの奴は、冷めた目線で私のことを見てたけど………




「……分かったよ………」


渋々納得。

ホッ……とした。






…と思ったらーーー





「…なんて言うか!アホッ!!」



怒鳴り声と共に近づいてきた。

サッ!と腕振り上げられて、ぎゅっと身をすくめてしまった。



ふわりっ…と風が吹いたような気がして、気づいたら腕の中にいた。



「話しかけないとかできるか!菅野が好きだって言ったろ!」


顎を押し上げようとする。


キスはヤダ!

いくら羽田でも、こんなのはイヤ!!




「やっ……!!」



パー突き出しちゃった。

思いきり前に。


……羽田が離れてく。

驚いた目をしてーーー




「バカ!!…もう知らないっ!!」




可愛げのない私。

羽田の思うような女になんて、なれるかぁぁーーー!!!



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