あるワケないじゃん、そんな恋。
離してっ!前に行けないっっっ!!


「…足首細ぇーな。菅野の足はホントキレーだよな…」


「えっ!?足ぃ〜〜!??」


「…あっ……いや、今のナシな!」


赤い顔して目ぇ逸らすなっ!どこ見てんのよ、全く……。


怪訝そうに眺めてしまった。
近づいてきたり触ったり……油断も隙もありゃしない。



「菅野……」

「な、何?」


先に出ようとしたのに振り向かないで。
それだけで胸が鳴るなんて、私がおかしいみたいだからっ!


「来週の店休日の日さ、お前、誕生日だろ」

「誕生日?……あ、そっか…」


忘れてた。25になるんだ。


「だから空けとけよ。デートのやり直しするぞ!」


ドキン!!


「デ…デート?」

「うん、イブのやり直しなっ!」


スカした顔して笑うなっ。
余計に胸が鳴ってくるからぁぁぁ。


「わ…わかった。空けとく……」

「おうっ!じゃな!」


お先〜!って出ていく背中追いかけたくなるじゃん。

やめてよ。

これ以上ときめかせないでっ!



(ホントにもう…免疫なさ過ぎでしょ!私ぃ〜〜〜!)


たかがデートだよ⁉︎

「クリスマスイブ」が「バースデー」に変わったくらいだよ⁉︎

文字数減っただけじゃん!

ちょろいもんよっ!!



(……って、強がってどうする!)


相手はあの羽田だよ⁉︎
イブの時とは立場が違うでしょ⁉︎

前のは「お友達と練習」みたいな感じだったけど、今度は本番でしょ!

できたばっかの「彼氏」としてだよ!?
そんでもって、一応上役だしっ!

コレって教授本みたいじゃん!??
ねぇっ…!違うっ……!??


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