あるワケないじゃん、そんな恋。
真ん丸な目をしたまま、菅野は言葉を失った。

俺の言った言葉の意味が分からないみたいで、ただ茫然としてる。



「歩こうか……」


背中を向けて歩きだした俺に黙ってついてくる。
イブの夜とは違う菅野の雰囲気に、少しだけ酔いしれてた。



「…誕生日の日、どこに居たんだ…」と聞きたい気持ちを抑えた。


今日はそれよりも大事な話がある。
俺と菅野の、これからに関わる重要な話だ。


取り乱して聞かなければいいけど、きっと黙ってもいられないだろうと思う。


俺にとっても、かなり驚くような話だったからーー。


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