あるワケないじゃん、そんな恋。
ーー犬まで一緒になって俺を非難するのかよ。
お前ら、同じ女同士だな。


「そんなコト言わねーでもう一回しよ⁉︎ 今度はもっと長く!管野が立ってられなくなるくらいのやつ!」

「ヤダッ!もう寄らないでっ!!」


近づく俺をグーでブロックだよ。
ホントに可愛くねーな。



「じゃいい。他の女とする」

「えっ…」

「だって、お前させてくんねーもん。チューもハグもすぐ拒否るし」

「えっ、だ…だって、それは……」


オロオロ狼狽えるくらいなら言うこと聞きゃいいんだよ。

恋愛もエッチも、まだまだこれからなんだから。


「今日のところは取りあえず勘弁してやるけど、次拒否ったら許さね。管野がごめん…て言うまでキスする!覚悟しとけよ!」

「う…うん……」


ホッとしながら頷いてんじゃねーよ。

ごめんって言わなくても、し続けるに決まってるだろ。



(恋愛処女め。覚えとけ…)



「じゃあ俺行くわ!またな、ペソ!」


「キャン!キャン!」


……羽田君行ってらっしゃいって⁉︎
お前は飼い主よりいい女だぞ!



「じゃあ、管野!」

「う、うん。あの…羽田…さん」



ガクッ。

何だその部下モード!まだ引き摺ってんのかよ!


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