あるワケないじゃん、そんな恋。
どっちが好き……?
「……何か飲む?」


休憩用のココア缶を手に取った。
バン・ホーテンココアは店長のお気に入り。
こういう時にしか飲めないから丁度いい。飲んじゃえ!




「……菅野さん…って強いですね……」


鼻をぐずらせてた芹那ちゃんがぽそりと呟いた。


「…そう?相手が羽田だからじゃない?」


幾ら私でもあんなふうに誰にでも噛み付くわけじゃない。
一方的に叱ってる羽田が許せなくて、どうにかしたい…と思っただけだ。


「私……洋ちゃんがあんな怒ると思わなかった……」

「ホントね〜〜。私もあんな心の狭い奴だとは知らなかったよ……」



コポコポ…とお湯を注ぎながら返事すると、芹那ちゃんははぁ〜…と深い息を吐いて……。



「嬉しかった……」


「えっ……?」


意外な一言に振り向く。
芹那ちゃんの涙は消えてて、顔はまたうっすら赤くなってた。



「洋ちゃんが私のこと心配してくれて嬉しい……」


「はぁっ?」


なんか幸せそうな顔してない?
マゾっ気でもあるの⁉︎ この子。



「そりゃ……普通は心配するんじゃない?センター試験前にバイトするなんて、よっぽど余裕がないとできないよ?」


クルクル…とココアをかき混ぜながら手渡した。

この子が羽田とどんな知り合いか知らないけど、あそこまで言うくらいなら余程近しい関係なんだろう。



(見た感じあんま似てないから、従姉妹か再従姉妹…かなぁ……)


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