おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
五十鈴さんの顔が目に浮かんだ。


トラに婚約破棄を告げられたとき、いったいどんな気持ちだったんだろう。



トラに会いに来たときの五十鈴さんの顔。


嬉しそうにトラを見ていた。


きっと、五十鈴さんも、トラのことを好きだったんだろう。




………でも、ごめんね、五十鈴さん。


私、いま、あなたへの申し訳なさも感じられないくらい―――嬉しい。



トラの気持ちが、行動してくれたことが、嬉しい。




「半年以上かかったけど、皆にやっと納得してもらえた。


………それで、やっと、うさのこと、迎えに来れた」




涙腺がゆるんでいくのを感じる。



視界がぼやけて、トラの顔がゆがむ。




「………うさが待ってくれてるか分からなかったけど、今日会えて、本当に嬉しかった。

来てくれて、ありがとう」




大好きな、優しいトラの声。


私にまっすぐに向けられている。



私はしゃくりあげながら顔をおおった。




「私も………会えて嬉しい。

会いたかった。


トラ、私のこと探してくれて、会いに来てくれて、ありがとう」




うまく声は出なかったけど、なんとか言えた。





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