クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
あれがなかったら、彼女との同居なんてなかっただろう。

最初はぎこちなかった同居だが、絢香の協力もあって、彼女は少しずつ俺の家で暮らす事にも慣れてきた。

俺が帰宅するといつも寝室にこもっていた彼女。今ではリビングでテレビを観たりしてくつろぐようになったし、ソファーでうとうとしてる事もたまにある。

そんなひよこを見つけると、思わず頬が緩む。

自分を警戒していた子猫が自分に気を許して自分の手の中で眠る……そんな感じに似ている。

自分に気を許した……そう思うと余計に愛しさが増す。

無防備な彼女の寝顔を見て“可愛い”と思い、彼女の頬にそっと触れた事が何度あったろう。

それでも目を覚まさない彼女に呆れると同時に、彼女の寝顔を見るのが嬉しくもあった。

ひよこが来るまではただ寝に帰るだけの家だったのに、この頃は家に帰るのが楽しい。

彼女の存在が俺の癒しになっていた。
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