クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「悠人の口から不安なんて言葉が出るなんて……。あなた変わったわね。つまらない男になったわ」

「つまらない男で結構。じゃあ、来月、パリでな」

フッと微笑して五十嵐に手を振ると、俺はタクシーを呼んで空港に向かった。

空港に着いてチェックインカウンターで手続きを済ませ、ゲートに向かうと、スーツのポケットに入れておいたスマホがブルブルと震えた。

ポケットに手を入れてスマホを取り出して画面を見ると、絢香からメールが入っていた。

【ケーキとシャンパン用意しておいたわよ。早く帰って来てね。私は陽世莉先輩が帰ってきたら家に帰るから 】

家に帰るからって……。

絢香も誘ったつもりなのだが、あいつはいくらフリだって言ってもひよこと俺が結婚するって思い込んでるし……。

気をきかせたつもりなのか?

それから、飛行機に搭乗し、二時間近く飛行機に乗って羽田に着くと、スマホを操作してメールが来てないかチェックした。
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