クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
今まで俺の周りにはいなかったタイプ。面白い。

「いつまでそうやって逃げられるかな?」

ひよこの顎をつかんで彼女と目を合わせると、彼女は怯えるような目で俺を見た。
「……逃げてませ……クシュン!」

ひよこがくしゃみをしてブルブルと震える。

雨でずぶ濡れだし、寒いのか。

車のエアコンの温度を調整すると、俺は後部座席に置いておいた薄手のコートを手に取りひよこの身体にかける。だが、彼女は俺の手を止めて頭を振った。

「大丈夫です。それにコートが濡れますから」

震えながらか細い声で断られても全然説得力がない。

普通に優しくしたのでは、素直に言うことを聞かないらしい。

メンドーな女。

フーッと軽く溜め息をついて冷ややかな視線を投げる。

「かけてないと下着が透けて見えるけど。良いのかな?」

「え?……嘘……」
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