クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
高熱……着替え……?

「覚えて……」

「覚えてない」と言いかけて、私は言葉をゴクッと飲み込む。

……断片的だけど……記憶がある。

「熱い……」って呻いてたら、朝比奈先輩が服を脱がせてくれて……タオルで身体拭いてくれて……。

でも私……昨日ブラが濡れて上は下着つけてなかったんだけど……。

「やだ~」

思わず声を上げる。

あ~、朝比奈先輩に胸見られた~‼

顔の熱が一気に上がる。

嘘……夢だよね。悪夢を見てるんだよね。誰か夢だと言って~!

熱で頭が朦朧としてたとはいえ、何で抵抗しなかったんだろう。寝不足なのも良くなかったのかも。

でも、全ては台風のせいだ。台風が来なければ、朝比奈先輩に捕まる事はなかったのに……。

昨日の台風を恨みたい。
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