クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「起きたのか?」

彼はそんな私を気にすることなく、すぐに身を起こして私に近づく。

「え?何を?」

朝比奈先輩の非の打ち所のない綺麗な顔が迫ってきて、私は驚いてギュッと目をつぶった。

またキスされる‼

そう思ったけど、コツンっと彼の冷たい額が私の額に当たり、心臓がバクバク音を立てる。

何?何?

びっくりして息をする事も出来なかった。

「まだ熱があるな」

朝比奈先輩がそう呟いて私から離れると、私は上目遣いに彼を見ながら胸を押さえゆっくりと息をする。

「熱?」

「覚えてないのか?昨日の夜、ソファーで熱を出して寝てたからこの部屋に運んだ。夜中は高熱でかなりうなされて、汗をかいてたから着替えさせたが、それも覚えてないのか?」
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