ヒロインになれない!
ちなみにセルジュは神戸大学の入学式を終えたばかりだ。
「新しいお友達、頭の良さそうな人だね。」
「やっぱり?そう思う?彼女のおかげなのよね、全部。どういう人やろ……。」
セルジュは、首をかしげて微笑んだ。
「まあ、最初から根掘り葉掘り聞くのは失礼だろうから、少しずつ聞けば?もし外で話し足りないなら、うちに連れて帰っておいで。泊まってもらえばいいから。でも、由未自身は外泊禁止だからね。お預かりしてる大切なお嬢さんだからね。」
……はあ……ありがとうございます……。
セルジュのこういうところ、確かにめんどくさく窮屈だと思う。
食器を片付けると、暖炉のある居間で過ごす。
本を読むのも、勉強もここでするようにしている。
自分の部屋は、着替えと寝る時にしかいない。
セルジュがそうしているので、何となく真似ている。
4月とは言え、山手の大きな屋敷はけっこう冷えるので、夕方から暖炉に火を入れている。
火の側でくつろぐのは、原始的なことなのに贅沢だな、と思う。
実家でだらだらテレビを見ているより、ずっとくつろげる気がする。
……ここでは、リアルタイムでテレビを見ることは減り、どうしても見たい番組だけ録画して後で見ている。
例えばIDEA(イデア)の出る歌番組は絶対に欠かせない。
視聴後に、東京の知織ちゃんに電話することも。
「由未、電話震えてる……」
やっと持たせてもらった携帯電話に着信があっても、私は気づかないことが多く、セルジュに指摘されることが続いていた。
早速、授業の予習を始めていた私は、シャーペンを置いて電話を手に取った。
「あ、ほんまや。誰やろ?知らん番号やわ。……もしもし~?」
『……あ、俺、今日しゃべっとった佐々木やけど。わかる?』
「さ、さき、って、和也くん!?」
ひ~え~っ!なんで~!?
突然のことに、頭がぐるぐるになってる。
『そう、和也。って、お前、先輩に対して「くん」はないわ!あかんあかん、入部推薦取り消すぞ。』
「あ、ご、ごめんなさい!つい……。じゃ、和也先輩で。……って?え?入部推薦?してくれはるんですか?」
『おう、あの後、吉川に言われた。由未を巻き込むなら中途半端なポジションじゃなくて、ちゃんと部員にしたれ、って。内申点にも関わるらしわ。せやし、明日の放課後、吉川と一緒に部室に来てな。』
「はい!」
『じゃ、明日。』
「お……」
おやすみなさい、って言う前に、電話が切られたみたい。
用件だけの電話だけど、私は天にも昇りそうな心地だった。
「新しいお友達、頭の良さそうな人だね。」
「やっぱり?そう思う?彼女のおかげなのよね、全部。どういう人やろ……。」
セルジュは、首をかしげて微笑んだ。
「まあ、最初から根掘り葉掘り聞くのは失礼だろうから、少しずつ聞けば?もし外で話し足りないなら、うちに連れて帰っておいで。泊まってもらえばいいから。でも、由未自身は外泊禁止だからね。お預かりしてる大切なお嬢さんだからね。」
……はあ……ありがとうございます……。
セルジュのこういうところ、確かにめんどくさく窮屈だと思う。
食器を片付けると、暖炉のある居間で過ごす。
本を読むのも、勉強もここでするようにしている。
自分の部屋は、着替えと寝る時にしかいない。
セルジュがそうしているので、何となく真似ている。
4月とは言え、山手の大きな屋敷はけっこう冷えるので、夕方から暖炉に火を入れている。
火の側でくつろぐのは、原始的なことなのに贅沢だな、と思う。
実家でだらだらテレビを見ているより、ずっとくつろげる気がする。
……ここでは、リアルタイムでテレビを見ることは減り、どうしても見たい番組だけ録画して後で見ている。
例えばIDEA(イデア)の出る歌番組は絶対に欠かせない。
視聴後に、東京の知織ちゃんに電話することも。
「由未、電話震えてる……」
やっと持たせてもらった携帯電話に着信があっても、私は気づかないことが多く、セルジュに指摘されることが続いていた。
早速、授業の予習を始めていた私は、シャーペンを置いて電話を手に取った。
「あ、ほんまや。誰やろ?知らん番号やわ。……もしもし~?」
『……あ、俺、今日しゃべっとった佐々木やけど。わかる?』
「さ、さき、って、和也くん!?」
ひ~え~っ!なんで~!?
突然のことに、頭がぐるぐるになってる。
『そう、和也。って、お前、先輩に対して「くん」はないわ!あかんあかん、入部推薦取り消すぞ。』
「あ、ご、ごめんなさい!つい……。じゃ、和也先輩で。……って?え?入部推薦?してくれはるんですか?」
『おう、あの後、吉川に言われた。由未を巻き込むなら中途半端なポジションじゃなくて、ちゃんと部員にしたれ、って。内申点にも関わるらしわ。せやし、明日の放課後、吉川と一緒に部室に来てな。』
「はい!」
『じゃ、明日。』
「お……」
おやすみなさい、って言う前に、電話が切られたみたい。
用件だけの電話だけど、私は天にも昇りそうな心地だった。