ヒロインになれない!
また、吉川さんのおかげだ。
すごい……。
ふるふると震えていると、セルジュがため息をついて、
「電話に出る時も切る時も、きちんと挨拶しないと……」
と、またお小言を言い出したので、慌てて私は遮った。
「だって、和也くんからやで!びっくりしてしもて、そんな余裕ないって!」
「……まだ入学したてなのに、ずいぶんと展開が早いね。」
「なんか、電話くれはったんも、吉川さんに言われたからみたい。」
そう言うと、セルジュは怪訝そうな顔をした。
「由未……和也くんは吉川さんが好き、っていう可能性も……ある?」
セルジュの言葉に、私はぐっと詰まった。
否定はできない。
遠慮がなくて、仲よさそうだったし、何と言っても、吉川さんは美人だ。
でも……吉川さんは、たぶん、和也くん……和也先輩を相手にしてない、気がする。
「ある、と思う。でも、逆は、ない。」
セルジュはそれを聞いて、ふーっとため息をついた。
「ややこしくならないことを祈ってるよ。」
翌朝、私は少し早めに学校に到着するように出た。
朝の自主練をしているサッカー部員の中に和也先輩を見つけ出し、目で追う。
去年は他の選手より華奢に見えたけど、今年はあまり体格差を感じない、かもしれない。
それだけ大きくなってはるんかな。
ぽ~っと見とれていると、肩をぽんっと軽く叩かれた。
「おはよう!早速、熱心ね。」
気づくと笑顔の吉川さんが隣にいた。
「おはよう。吉川さん!昨日は、ほんっとにありがとう!」
私が勢い込んで、吉川さんの両手を握ってそう言うと、吉川さんはうれしそうにはにかんだ。
「余計なお世話かな、って、ちょっと反省もしとったんよ。うれしいわ、そう言うてもらえたら。」
その笑顔は、まぶしいぐらい綺麗だった。
私はまた見とれた。
「吉川さん、やっぱりめっちゃ綺麗……。」
ついそう言うと、吉川さんは赤くなって、でも微笑んだ。
「女子でそんな風に心から言ってくれる人、いいひんよ。うれしいわ、ありがとう。」
吉川さんの瞳が少し潤んだ。
「え!子供って、ほんまに、あおいちゃんの子供なん?」
昼休み、グランド横のベンチでサッカー部の昼の自主練を見ながらお弁当を食べるのが、私達の習慣となった。
吉川あおいさんとはすぐに打ち解け、名前で呼び合いはじめた。
セルジュに言われた通り、あまりあからさまに色々質問しないようにしていたので、あおいちゃんが経産婦だと知ったのは、一週間ぐらいたってただろうか。
さすがに、驚いた。
すごい……。
ふるふると震えていると、セルジュがため息をついて、
「電話に出る時も切る時も、きちんと挨拶しないと……」
と、またお小言を言い出したので、慌てて私は遮った。
「だって、和也くんからやで!びっくりしてしもて、そんな余裕ないって!」
「……まだ入学したてなのに、ずいぶんと展開が早いね。」
「なんか、電話くれはったんも、吉川さんに言われたからみたい。」
そう言うと、セルジュは怪訝そうな顔をした。
「由未……和也くんは吉川さんが好き、っていう可能性も……ある?」
セルジュの言葉に、私はぐっと詰まった。
否定はできない。
遠慮がなくて、仲よさそうだったし、何と言っても、吉川さんは美人だ。
でも……吉川さんは、たぶん、和也くん……和也先輩を相手にしてない、気がする。
「ある、と思う。でも、逆は、ない。」
セルジュはそれを聞いて、ふーっとため息をついた。
「ややこしくならないことを祈ってるよ。」
翌朝、私は少し早めに学校に到着するように出た。
朝の自主練をしているサッカー部員の中に和也先輩を見つけ出し、目で追う。
去年は他の選手より華奢に見えたけど、今年はあまり体格差を感じない、かもしれない。
それだけ大きくなってはるんかな。
ぽ~っと見とれていると、肩をぽんっと軽く叩かれた。
「おはよう!早速、熱心ね。」
気づくと笑顔の吉川さんが隣にいた。
「おはよう。吉川さん!昨日は、ほんっとにありがとう!」
私が勢い込んで、吉川さんの両手を握ってそう言うと、吉川さんはうれしそうにはにかんだ。
「余計なお世話かな、って、ちょっと反省もしとったんよ。うれしいわ、そう言うてもらえたら。」
その笑顔は、まぶしいぐらい綺麗だった。
私はまた見とれた。
「吉川さん、やっぱりめっちゃ綺麗……。」
ついそう言うと、吉川さんは赤くなって、でも微笑んだ。
「女子でそんな風に心から言ってくれる人、いいひんよ。うれしいわ、ありがとう。」
吉川さんの瞳が少し潤んだ。
「え!子供って、ほんまに、あおいちゃんの子供なん?」
昼休み、グランド横のベンチでサッカー部の昼の自主練を見ながらお弁当を食べるのが、私達の習慣となった。
吉川あおいさんとはすぐに打ち解け、名前で呼び合いはじめた。
セルジュに言われた通り、あまりあからさまに色々質問しないようにしていたので、あおいちゃんが経産婦だと知ったのは、一週間ぐらいたってただろうか。
さすがに、驚いた。